こんにちはオオ氏です。
前回、自宅で生き生きとした生活を送るためには、
トイレ動作を失わないようにすることが大切だと述べてきました。
今回はトイレ動作を失わずに暮らすためにどうすればいいのか
私の見解と、身体への考えについて日々患者さんに行っていることについて
述べていきたいと思います。
何かの参考になれば幸いです。
トイレ動作を失わないようにするには
外来通院の患者さんはトイレ動作がすでに行えている人が多いです。
しかし、施術をしないままにしておくと、
トイレに行くのもつらくなりそうだという人は多いです。
いかに今の動きを落とさずにスムーズに動けるか。
いかに今以上に動きを改善し、活動量を増やせるか。
そのためには、痛みの軽減を優先的に考えます。
そして、ふらつきや痛みの誘発が減るように体の癖を知り、
動きの方向に選択肢を増やすことで、立位バランスの改善を図ります。
動きの選択肢が増え、痛くないようなバランスや体動を
「こうやって支えると痛くないのだ」と体感してもらいながら、
上手く使えていなかった体の使い方を修正してもらいます。
体の癖が変わることで、日常でも負担が生じにくい身体になります。
痛みがきっかけで、
動作が遅くなり、
動くのがつらくなる
これらを防ぐことを考え、施術を行います。
実際にかかわるときに伝えていること
(1)痛いところだけが原因ではない
痛みの原因が痛みの出ている部位のみだとは限りません。
例えば膝が痛いという場合、
膝にも要因はありますが、
足関節や上半身の背骨の一部にも原因がある場合があります。
例えば足首(足関節)が痛い場合、
足首にも要因がありますが、
十二指腸、胆のう手術後がきっかけで、
腹膜や胸郭に病変が存在し、
それが原因で足首が痛くなっていた人もいました。
痛みや筋力低下を感じている患部の評価も行いますが、
全身の膜から病変部を評価します。
その病変部の過度な緊張を抑えることで症状は改善されていきます。
病変は脊柱、胸郭、全身の骨、関節、頭蓋、内臓、動脈など
さまざまな範囲に及んでおり、
患者さん独自の病変が出ます。
なぜ、離れた部位が原因となりうるのか
それは、受精卵から、人間が形成される過程にあると考えられています。
受精卵から胎児になるまでの間、
ひとつの風船からトイプードルのおもちゃを作るように
一つの細胞が折りたたんだり、重ねたりを繰り返します。
四肢などは内側から生えてくるように形成されます。
別の場所から四肢が現れて、身体にくっくつことなどは見られません。
もし、トイプードルのおもちゃの一部を針などで割ったとしたら、
他の部位も割れます。もしくは全部割れるかもしれません。
体の一部が痛んでいるということは、
全身にも影響が出るだろうと考えているのです。
どこを痛めているのか、少しでも認識ができれば
日常で気をつけるようになってきます。
痛みや苦しみが生じるのは
身体や生き方などを変えるきっかけです。
生き方を変える、何かに気付くために必要なことがもしかしたら、
そこにあるかもしれません。
まずは、自分自身を認識する
このために必要なのは丁寧に顧みることだと思います。
(2)身体の使い方や癖を変える
痛みが出やすい動きをしていないか
痛みをかばいすぎるあまり、
かえって全身に負担がかかるような動きをしていないか
これらを評価していきます。
例:膝がO脚、足や腰が痛くて立ちにくい。
こんな時、膝のみが悪いのではなく、
股関節や足関節も関わっていると伝えます。
脊柱や上半身の動き方も関わると伝えます。
施術や関節の可動域訓練を先に行い、
痛みが少し減った後に
痛みが出にくいような立ち方をともに練習します。
足の位置や、膝を伸ばす方向、上半身の使い方
多くの場合が重心移動をうまく行えずに痛みが出ます。
これらの重心移動をスムーズに行えるように
動きが足りない部位は伝えて、立ち上がりを練習します(3回ほど)。
この時に痛みが出なければ、身体は安心して
「あっ、この方向にも動いていいのだ」と
痛みが出にくい方向に体が動くきっかけになりやすいです。
痛くない体験を通して、身体に安心して動かしてもいいと感じてもらった後は
本人の動きたいように動いてもらいます。
通院当初は施術中は改善しても、
時間が経てば
動き方が施術前に戻ってしまうことが多いです。
しかし、この施術を繰り返していくと、
痛みを訴えることが少なくなってきます。
例:膝折れを減らしたい。
加齢により、脳から指令が届きやすく、使いやすい筋肉があるのと
使いにくい筋肉があるので、負担がかかりやすい筋肉と
いつまでも負担がかからずにサボりがちの筋肉が生じます。
特に関節を多くまたぐ大きな筋肉は脳からの指令が届きやすいです。
関節をまたぐ数が少なく、骨の近くで土台となるような筋肉には
脳からの指令が届きにくいので、サボりがちになります。
とくに鍛えたり、使う練習を促すのが殿筋(おしり)の筋肉が多いです。
お尻の筋肉をなぜ鍛えましょうというのか。
それは膝折れを防ぎやすく、膝の周りの筋肉に負担を多くかけずに
歩きやすくなるからです。
膝を横から見たらこのようになります
膝折れは右図のように大腿の骨が前に曲がる方向に動こうとします。
これを止めることができないと、膝が前にカクッと急に曲がってしまいます。
これを止めるためには大腿骨が後ろの方向へ強くとどめようとする力が必要となります。
上記のブルーの力は股関節伸展、膝関節伸展方向の力であり、
大殿筋やハムストリングスなどの股関節を伸展方向へ導く筋肉と
大腿四頭筋など膝関節を伸展方向へ導く筋肉の活動量が重要になってきます。
足の筋肉や背骨の筋肉は抗重力筋と言われ
体重、重力がかかると自然と力が入るような特徴があります。
宇宙飛行士が宇宙に行くと極端に筋力が衰えてしまうのは
「重力が少ないから」というイメージはわくと思います。
それと同じで、重力が筋肉にうまく乗っていないことで
筋活動がうまく行えていないのです。
特にお尻の筋肉が働くためには、
膝や背骨が伸びた状態で体重がかかることが重要です。
昔と比べ、背骨が曲がった人は少なくなりましたが、
膝がやや曲がった状態でバランスをとっていることが多いと思われます。
私が受け持った患者さんで、
大腿の骨がしっかり後ろに動くこと(股関節伸展)ができる方は、
お尻を鍛えてもらう、
もしくは使ってもらいやすいような運動を一緒に行ってもらいます。
もちろん、痛みがあり、大腿の骨が後ろに動かしにくい方は
それを優先的に解決できるように施術を行ってから練習します。
大腿骨が後方へ移動し、股関節が伸びることは
大殿筋の筋活動を得るためにも重要なことです。
もし、膝が痛くて上記の運動ができない方は、
ひざ下にマットや座布団を敷いて行ってもらいます。
それでも痛い場合は、無理しないように伝えています。
最近多く見かける病変部位
膝関節痛の軽減を図りたい。
そんな患者さんに行うこと
まずは評価を行います。
足部から層触診。
硬膜からの瞬間傾聴。
多くの場合、胸郭で病変、
距踵関節、距腿関節のアライメント不良、
下腿骨間膜と脛骨の骨膜に病変をよく見ます。
足部の病変が変化するようにバランスを取り続け、
膝関節、股関節まで筋膜のバランスを取り続けると、
緊張や痛みが緩和しやすいです。
まとめ
ここまでとトイレ動作を失わないようにするために
日々取り組んでいる内容を伝えさせてもらいました。
これらの取り組みで、健康寿命を延ばし、
家で快適に暮らすことを実現できれば、
幸いです。
今日も最後まで見ていただきありがとうございました。