こんにちはオオ氏です。
前回の記事では、50代とまだ若いのに転倒が多く、
自宅で子猫がぶつかってきただけで
転倒していた患者さんの紹介をしました。
病名がわからず、転倒している方は
なにか参考になれれば幸いですという趣旨でやっています。
今回はその続きです。
脊柱アライメント不良(背骨の並びが良くない)と
脊柱可動性低下に対して、私がどのようなことをしたのか。
脛骨と大腿骨のアライメント不良と
片脚立位不可に対してどのようなことをしたのか。
これらをまず伝えさせていただきます。
そして、現在どのような状況になったのか。
私が施術中にみているもの、意識していることなどを
伝えさせていただきたいと思っています。
それでは参ります。
脊柱アライメント不良に対して
硬膜からの傾聴と脊柱の触診で
動きが悪い、ブロックしている椎体を見つけました。
今回の場合、胸椎の4番、5番、6番に優位病変がありました。
胸椎の中で6番目を特にピックアップしています。
患者さんの椎体がどう傾いているかを把握し、
前後、上下、左右の移動を組み合わせ、
対象とする椎体と周辺組織の緊張が緩む方向へ移動させます。
緊張が緩む方向へと移動させたりバランスを取ることを
間接法と言うらしいです。
前後、上下、左右のイメージは以下の通りで、
上下が青
左右が緑(わかりにくいと思いますが…)
前後がオレンジ
これらの方向性と傾きを組み合わせていきます
以下の図は胸椎6番を横から見ています。
上下と前後の方向性を示しています。
以下の図は胸椎6番を上から見ている図です。
前後と左右の方向性を示しています。
以下の図は胸椎6番を正面から見ています。
上下、左右の方向性を示しています。
これらの動きを組み合わせて、6番の胸椎、その周辺組織の
緊張が解けていく方向へ誘導し、
周辺組織の緊張を緩めていくのです。
椎体に付着している組織はさまざまであり、
靭帯
筋、筋膜、神経(この図は第3腰椎でわかりにくいですが…)
これらが緩んで胸椎本来の位置へ戻りやすくします。
病変もしくはブロックを和らげ、
組織の血液や間質液などの交通を改善し、
治癒力が発揮しやすいように手伝うのが私の仕事です。
例えば、ひとつの椎体が傾いていた場合、
周辺に付着している軟部組織は以下のような繊維の走行に不具合が生じやすいとします。
本当はもっと複雑な走行、繊維でありますが、簡単な図で考えていきます。
左の図はきれいに配列されていますが、右の図は上部の椎体に傾きが生じ、
繊維が曲がっていますね。
構造の位置関係がずれると、
その周辺や連結している遠くの組織まで影響を及ぼします。
靭帯、筋膜、神経、血管などが複雑に絡んで機能を助け合っている身体に
機能制限が生じやすい状態となるのです。
関節の角度や骨の位置などを微妙に調整し、
張力の均等さを目指していきます。
これまでの説明では、脊柱が中心でしたが、
股関節の張力の均等さを保つ例でいい画像があったので掲載します。
両方とも右股関節を横から見ています。
左は股関節がまっすぐです。右は微妙に股関節を曲げた位置においてます。
右の股関節の周りの赤い周辺組織は張力が均衡になっていそうですよね。
微妙に股関節を曲げて、
股関節周囲の緊張、張力を均等に保とうとする位置に誘導しています。
このような作業をいたるところで行っているのが、
機能と構造に着目したセラピストです。
構造の触診を訓練したセラピストは、
股関節のみならず、全身でこのような作業が行えます。
脛骨と大腿骨のアライメント不良に対して
筋膜が捻転して脛骨と大腿骨の位置をずらしているのがわかりました。
そこで、先程の脊柱の施術と同様、
脛骨を動かし、大腿骨に対して緩むような位置に
移動させて、病変やブロックが和らぐよう誘導していきました。
左の図が後ろから見た膝です。右は横から見た膝です。
脛骨(すねの骨)と大腿骨(太ももの骨)が捻じれた位置で
筋膜が固まっていると、
靭帯や筋肉に悪影響が出そうです。
これらは、脛骨と腓骨の間の骨間膜から緩める方向へ誘導し、
尚且つ、膝関節全体が緩む位置へ誘導すると
緊張が取れやすかったです。
片脚立位不可に対して
患者さんに片足立ちをしてもらい、
踏ん張った力が足関節から膝関節、股関節、骨盤帯、
脊柱、胸郭まで連結しているか、
もしくはうまく連携できていない部位はどこかをみつけ、
その部位に対してマニピュレーションを行っていました。
また、その連携できていない感覚や
力がうまく伝わっていない部位は
患者さん自身も感じ取ってくれながらバランスのトレーニングができたので、
効率よくトレーニングに取り組むことができました。
張力と体重が乗っているような感覚が足全体から、背骨まであるかどうかを
患者さんと確かめながら行ったということです。
私が現在”みている”もの
私のみているものは、
”患者さん自身のエネルギーの通り”です。
エネルギーと言ってもたくさん種類があります。
運動エネルギーだったり、
熱、光、電気など。
また気のエネルギーだったりと…(言葉では説明上手くできません)
人類の未知のエネルギーもあると思います。
(これも言葉ではうまく説明できません)
私が説明や患者さんに聞かれた際に伝えている感覚は、
運動エネルギーについてです。
それは双方(私と患者さん)が認識しやすく、
患者さんに伝わりやすいからです。
筋膜や硬膜にコンタクトし、
張力がうまく伝わっていかない部分に
患者さんの病変を見出す。
そしてその病変が柔らかく消失するように
周辺の組織同士が良い張力バランスと可動性が回復するように
患者さんの変化を待ちます。
この肉体に生じた病変に対して、
治る、良い状態に、望ましい機能が働く状態になるよう
バランスを調整していきます。
治る、回復する、癒える、改善するこれらの言葉は
似たようなニュアンスを持っていますが、
それぞれ使い分けていることが多いです。
きっと言葉に違いがあるということは
なにかあるんでしょうかね。
しかし、ほんとうは、
人が変化する際や、治る際に起きている現象は
言葉では表せないエネルギーも関わっていると思います。
そのエネルギーのおかげも大いにあると思っています。
私は足部の筋膜や頭蓋の硬膜などから、
身体によどみなく、
張力が伝わっていっているかどうかを見ています。
身体の一部に病変が生じており、
そこにひずみのような
よどんだような
組織の変化があった場合は
うまく張力が伝わっていかないです。
それを感じ取って、病変を見つけていっています。
ストレッチポールも購入してもらい、
自宅でもトレーニングを行ってくれました。
ストレッチポールを用いた、セルフエクササイズを
今後ブログでも掲載しようと思っています。
瞑想も行ってもらうように伝えました。
チャクラの通る部位を意識しながら、
背骨の配列を整えるように瞑想をしてもらいました。
天・地・人の流れがあり、その中心の流れに自身を…
これも意識してもらいながら瞑想を自宅で行ってもらいました。
今の状態
現在、屋内では杖も持たずに歩いています。
転倒するどころか、
自宅内では杖はもう不要とのこと。
屋外では買いものに出かけれるくらいまでとなってくれました。
ここまで回復してくれたのがうれしかったです。
先日、近所のおせっかいおばさんと久しぶりに再会したそうで。
おばさん:「まぁ歩きがとてもよくなっているじゃないの!」
患者さん:「ええ、良かったです。(去年あんなにディスってたやん)」
心の中ではそう思っても、やはりうれしさもあったみたいです。
とにかく、歩きがよくなって、
周囲に伝わって→「よくなっているね」と言われる
これらの出来事が患者さんにとってはうれしいようです。
私はそんな患者さんのうれしそうな姿を見るほうが嬉しいです。
まとめ
今回は、若いのに転倒が多い方の施術を取り上げてみました。
背骨や膝関節などの調整時にどこに着目しているのか。
調整の方法等も言葉にできる範囲で説明させてもらいました。
なるべく、アウトプットを繰り返し、
自身が普段患者さんになにを提供しているのか、
これを認識できるように、
相手に伝わりやすいように努めてまいります。
しかし、人間には言葉以外にもコミュニケーションや
影響を与えるものがあると思っています。
これらは言語化しないほうがいいこともあると思っています。
構造的な観点、
医学的な観点、
エネルギー的な観点、
これらを兼ね備えながら、
人と自分と向き合っていけたらなと思っています。
また、なにか気づきがあったり、
こんな体験をしましたという内容を発信して、
皆さんのなにかのお役に立てれば幸いです。
今日も長い話に付き合っていただきありがとうございました。