こんにちは、オオ氏です。
今日は、ご飯を食べようとするときに
顎が痛くなった方の経験について話そうと思います。
私個人が感じた個人的な見解と意見とその患者さんの経過についてなので、参考になれば幸いです。
患者情報
50代、女性
事務仕事
骨粗鬆症の治療中
診断名は肩関節周囲炎による拘縮
通院当初は右肩関節と肘関節に運動時痛がありましたが、運動時痛は軽減していました。
痛みはなくなり、月に一回はメンテナンス目的で通院されていました。
そんなある日、「ご飯を食べるときに顎が痛みます」と言いました。
症状
①普通(何も食べていないとき)に口を開けても痛みは出ません。
②咀嚼(ご飯をかむ動き)を行うときに、顎の右側が痛くなる様子でした。右耳の穴の前方なので顎関節が近いところです。
③嚥下時(水や食べ物を飲むとき)も同様に痛いそうです。
④右側臥位で寝ると、顎に疼痛が出る様子。仰向けでしか睡眠取れない。
右側の顎がベッドに触れると痛い。
他院の検査所見
①通院している歯医者にてレントゲン撮影したようですが、特に異常はなかったようでした。
②歯肉にも異常はなし
私が確認したこと
①硬膜にコンタクトし傾聴
(上部胸椎のアライメント不良、周辺組織の柔軟性低下がみられた)
②頭蓋(後頭骨)と第一頸椎間の柔軟性
(後頭骨の傾斜がみられた)
③頭蓋と頸椎のアライメント
(後頭骨と第一頸椎、下顎骨が右に傾斜し左回旋)
④骨粗鬆症の服薬による副反応について調べる
骨粗鬆症の副反応の一つに顎の骨壊死がありました。
しかし、
テリボンを使用している
骨所見に異常ない
歯肉にも異常ない
ということだったので、経過に注意しながらかかわろうとしていました。
患者さんに痛みがあまりにも変化しない場合などは別の歯医者か医療機関にかかるように説明していました。
施術内容
①胸椎のアライメント調整
②右側顎関節のアライメント調整
傾聴時に一番に反応があった部位から施術することにしました。
上部胸椎のアライメント調整を間接法で行いました。その途中で呼吸が深くなり、胸部周辺が柔らかく動き始めました。
胸椎、頸椎、後頭骨まで緊張がゆるみやすくなるようなポジションを取り続けました。
下顎骨にコンタクトし、間接法をもちいてリリースするのを待ちました。
下顎骨の下から喉のほうに向かって膜を追い、リリースするのを待ちました。
施術後
①その日の晩御飯から痛みが軽減し、咀嚼しやすくなっていたようです。
②右側臥位は痛みがやや和らいだくらいで、完全に痛みはその日はとれなかったようです。翌週と2週後、施術を行うと顎の痛みは消えたみたいです。
卒論で…
学生の頃、割りばしやマウスピースを嚙みながら筋力訓練をおこなっている病院があると知り、卒論のテーマに咬合と筋力の関連性について調べようとしたことがありました。
筋電図を付けて、何を噛みながらトレーニングをすると一番筋力が瞬間的に上がるのかを検討しようとしました。
仮説を立てるのと、それについての文献を調べるのが大変でした。
やっと見つけたのは、
開口時には下顎骨のみが動くが、
咀嚼時には上あご(上顎骨や後頭骨)も動き、それが後頭骨に付着している脊柱への筋群へ影響を及ぼすのではないかという一文でした。
他の文献は調べてもそのような記載はなかったのですが…10年以上前の話なので、もしかしたら文献出ているかもしれませんね。
やっと仮説っぽいものは見つかりましたが結局、そのテーマは却下されました…