こんにちはオオ氏です。
前回、妻が追突事故に逢いましたとお話しさせてもらい、
症状等を書いていたら、量が多くなってしまいましたので、
施術等はまた次回!ということでした。
今日は続きのお話をさせてもらいます。
妻の症状は
①首を動かしにくい
②呼吸が深くできない
③右顎が噛むと痛い
④目が渇いたような感覚があり、目の奥が痛い
でした。
妻に行った検査
本人に症状等を聞いた後に行うのは
検査です。
最初に聞いた本人の感じている症状は、”主観的”な状況、状態です。
実際にどこが本当に痛んでいるのか
”客観的”な状況、状態を把握するために検査を行います。
私が主に行った検査は以下の通りです
①硬膜からの傾聴と触診
②施術前の身体の動きと疼痛を確認
①硬膜からの傾聴と触診
妻の筋膜はどこから強く引っ張られているのか
もしくは、動かしにくい頸椎(首の骨)の動きを一番強く止めているのは
体のどこの部位なのかを調べました。
硬膜に触れ、適切な圧を加えると、こわばりが生じている部位から引き込まれる反応をみます。
硬膜の触知を行うと、
第3,4,5胸椎付近の強いこわばりが確認できました。
頸椎全体と胸椎3~5胸椎の周辺がゆるむ方向へポジションをとると
一次呼吸が出やすくなり、胸椎の可動性が改善してきました。
なので、あぁこれは病変だろうなと判断しました。
②施術前の身体の動きと疼痛を確認
本人やセラピスト(自分ですが…)の
モチベーションや効果実感のためにも行うようにしています。
妻の場合はじっとしているときに痛い(安静時痛)と
動かそうとしたときに痛い
(運動時痛)があることを確認しました。
そして、どこまで首が動くのか、どこまで動かすと痛いのかを本人とともに確認しました。
妻に行った施術
間接法でバランス調整を行いました。
間接法とは触った組織とその周辺の組織同士の緊張が取れやすいような位置関係を保つものです。ポジショニング同様、緩むまで待つ方法です。ポジショニングと違うのはセラピストが行うことです。また、緩みが膜のつながりを通して様々な部位に影響を波及させやすいです。
①第5胸椎
第5胸椎を後方から触知し、第4胸椎に対して緩む方向へと誘導しました。
その部位が緩んだら、第3胸椎とも緩む方向へと誘導しました。
②後頭骨と第1頸椎
後ろ頭の所に両手を当てがい、後ろ頭と第1頸椎の間が緩む方向へと誘導しました。
妻に行った再検査
施術が終わった後に、身体がどう変化したのかを確認しました。
首の動きと痛み
妻が感じていた症状がどう変化したのか聞いてみました。
①「首を動かしにくい」について
②「呼吸が深くできない」について
③「右顎を噛むと痛い」について
④「目が渇いた感覚があり、目の奥が痛い」について
①「首を動かしにくい」について
首の回旋が行いやすくなり、痛みが最終可動域付近では出ていますが、施術前より、首が動かしやすくなったそうです。
頭や頸椎を右回旋させてやっと緊張が抜けていた状態が施術後、
頭や頸椎を正面に向けても緊張しない状態になりました。頸椎と胸椎の動きがやわらかくなったのです。
これは今回だけです。追突事故に逢われた方が右を向くと必ず楽になるというわけではありません。おそらく妻は、追突されたときの体勢で筋膜が固まっているのでしょう。
追突されたときの体勢は首がやや右回旋していたものだと思われます。
追突された瞬間に取っていた姿勢を再現すると、一次呼吸が出やすくなり、筋膜の反応がよりエネルギッシュになるときをよく見ます。これは治癒力が働きやすい状態です。この治癒力が働きやすい状態に中々なれないから多くの方は苦しむんだと思います。
自分でできるセルフケアの一つとしてポジショニングがあります。
ポジショニングとは筋膜の緊張が取れやすい位置や方向へ身体を誘導して、そのまま緩むまで待つような方法です。これは、自身の体が”緩む”感覚をつかめれば、患者さん自身でも行うことが可能です。
”筋膜がゆるみやすい姿勢をとる”。
これはとても大切で、患者さんが来院できない時などは、この対応を伝えています。
筋膜がゆるみやすい姿勢ってどんな状態ですか?とよく聞かれます。
「それは、体全体の緊張が抜けやすい楽な姿勢をとることです。」と伝えています。
筋膜が緊張せずに骨の配列が乱れない状態を目標の一つとしています。
骨の配列をなぜ大切にするのか。
右を向いていてそれが楽ならばその右向いたままでいいじゃないかと思われる方もいるかもしれません。
しかし、骨の配列などはなるべく乱れず、ニュートラルな位置にあるのがよいと感じています。
達磨落としをイメージしてみてください。それぞれの積み木の穴の並びがそろっていないと、ハンマーの収納時にハンマーが通過しにくいですよね。
首の骨には穴が開いていて、そこに神経や動脈が通行しています。骨の並びが悪くて、それぞれの穴の通りがきつくなると、中の流れが滞りやすいと思われます。
血液の流れや神経伝達やリンパの流れが滞らない状態であれば、吸った酸素、飲み薬の薬効成分、修復のための血球などが身体のすみずみまで通りやすいです。また、老廃物の回収なども円滑に進むので、これらの効果により治癒が進みやすくなると思われます。
②「呼吸が深くできない」について
第5胸椎の施術中に呼吸がどんどん深くなっているのを見ました。また、妻自身も実感していました。
胸の高さの背骨(胸椎)の並びが悪かったので、並びがそろうように施術を行うと、呼吸が深くできるようになっていました。
身体の中で強くこわばりが出ている部位の骨の配列を確認。こわばりが強い
背骨がどの方向に傾いているか、もしくは捻じれているかを認識する。
痛めている部位と傾いている方向などを認識するだけでも、患者さん自身の身体が柔らかくなる反応は出ます。
しかし、それだけでは緩むまでに時間がかかる場合があります。もしくは、反応が出にくい時もあります。その時は、間接法を用いてよりゆるみが出る方向へ骨を動かします。
③「右顎を噛むと痛い」について
右の顎関節そのものにはあまり強い病変は生じてない感じです。
しかし、後ろ頭と一番上の頸椎の動きやすさと顎の下の骨(下顎骨)に付く喉の筋肉を柔らかくするような施術を行うとやや痛みが和らぎました。また、上あごの骨(上顎骨)とその奥にある骨(口蓋骨)の間の動きが少ないようだったので、施術を行うと、痛みがややわらぎました。まだ、完全には顎の痛みが取れませんでした。
④「目が渇いた感覚があり、目の奥が痛い」について
目の奥の違和感と痛みは施術時には調子がいいのですが、仕事に疲れていたりすると症状が再燃します。
硬膜と後頭骨、第一頸椎のバランスをとると症状が落ち着きます。
まとめ
主な症状4つのうち
顎の痛みと目の奥の痛みは完全に改善することはできませんでした。
首の動きと呼吸は改善しているようです。
現在、妻は仕事に復帰していますが、疲れやすい状況です。家に帰るときつそうに寝てしまうこともしばしば。
3回目の施術で顎の痛みは完全にとれたようです。目の奥の症状は尾骨や硬膜のバランスをとるように心がけてみます。
長い文章になってしまいましたが最後まで見ていただきありがとうございました。